FC2ブログ

シルバー・バーチの再生論への疑問(2)


シルバー・バーチの霊訓3 神体 



 
シルバー・バーチの再生論への疑問(1)からの続き

 

「マイヤースの再生観にはさまざまな矛盾や問題点がありましたが、シルバー・

バーチの「再生観」によってそれらが克服されることになりました。さらに

シルバー・バーチは、マイヤースの再生観を補完しただけにとどまらず、

「再生現象」の複雑なメカニズムの真相を初めて明らかにしました。」

 

「再生現象のメカニズムを論じるうえで最も重要な点は――「いったい何が

再生するのか?」ということです。常識的に考えるなら、「前世と同じ人間が、

次の地上人生においても現れる」ということになりますが、シルバー・バーチは

そうした「再生」の常識を根底から覆しました。地上人が考えるような「同一

人物・同一意識を持った人間の再生はない」と言うのです。」

 

「シルバー・バーチは、人間の意識を「インディビジュアリティー」と「パーソ

ナリティー」に分けて説きます。

 

「現在の人物像である「パーソナリティー」は一回限りのもので、死後には

「パーソナリティー」は「インディビジュアリティー」の中に吸収され消滅

することになると言います。シルバー・バーチによれば、「再生時には、今の

意識を持った人間とは別の人間(人物像)が現れる」ことになります。“自分”

という意識を基準にするなら、再生時には別の人間が現れるということであり、

「今のあなたは過去には存在しなかった」すなわち「前世はなかった」という

ことになります。再生時に現れるのは、地上では自覚できない「大きな意識体

(インディビジュアリティー)」の別の一部分であって、“今のあなた”では

ありません。これがシルバー・バーチが明らかにした「再生」の真相です。」

 

「シルバー・バーチが示してくれた知見(再生観)によって、それまでの再生

肯定派の見解にも再生否定派の見解にも、それなりの正当性があることが明らか

になりました。」しかし、「再生肯定派の見解の多くは「機械的再生論」であり、

再生の事実に立脚したものではありませんでした。」「再生否定論者は、「再生

自体を否定する」という点で間違いを犯してきました。」よって、「再生肯定派

も再生否定派も共に間違いを犯し、同時に両者とも部分的には正しいことを

主張してきたということになります。」

 

「シルバー・バーチは、再生現象の複雑な事実を詳細に示すことによって、スピ

リチュアリズム内部の再生論争に決着をつけました。シルバー・バーチによって

初めて「再生」の真相が明らかにされ、「真実の再生論」がもたらされることに

なりました。」

 

(コメント)

「再生現象」の複雑なメカニズムの真相を初めて明らかにしたということですが、

目新しくみえる「パーソナリティー」(人格性)と「インディビジュアリティー」

(個体性)という概念については、特別に新しいものではなく、古来から自我と

「真我」、「霊我」などといった形で存在するものであり、当時も、神秘学徒や

オカルティストの間で、人格性の死滅と個体性の不滅として流布していた概念の

ようです。

 

そうなると、言うほど新しい要素はなくて、かつて、アラン・カルデックが主張

していた再生の目的、すなわち、霊の進化のための罪の償い(カルマの浄化)と

マイヤーズの類魂説を統合したものがシルバー・バーチの再生論ということに

ならないでしょうか? 

 

ところで、シルバー・バーチの再生論は、類魂説を基にして、霊的な進化を目的

とした類魂の一部の再生、そして、霊的進化のためのカルマの解消という流れに

なりますが、先に触れた水波一郎氏の著書「神体」、あるいは「霊魂からの伝言」

によると、それとは逆のベクトルになるようなのです。

 

つまり、人という生命体は、元来、幽質の世界の存在であったが、物質を支配

したいと欲し、物質の世界に降下したという。そして、それを思いとどまらせ

ようとした上級の霊魂の忠告を押し切って地上に降りた人間は、物質の身体を

まとうようになり、食物を食べ、労働し、睡眠する存在となった。

 

地上に降りて初めて不自由というものを知った人類は、結局、不自由が嫌になり、

もとの世界に戻りたいと神々に願った。しかし、肉体をまとった人間の思いは

もう届かなくなっていた。

 

地上には死というものがあった。死は、もとの世界への帰還かと思われたが、

実は、そうではなかった。再生が始まったからである。もっとも、再生は、

個体そのものの単純な生まれ変わりではなかった。幽体のごく一部、全体の

ミニチュアのごとしが新しい肉体に侵入するのである。それも、幽体が意図

的に再生を望むのではなく、気がついたら、もう再生しているというのです。

 

つまり、霊的な進化という目的のために地上に生まれたのではなく、地上に

生まれてしまったから、そこで進歩しようという目的な生じた、そして、霊的

カルマが発生したから、それを解消する必要が生じたということです。

 

また、水波霊魂学においては、死後、人は幽体の質と状態によって行き先が

決まり、それぞれ階層を形成するとされていますが、だからといって、

個が融合して大きな意識体を形成することはない、意識の融合現象は起ら

ないとしています。あくまで個々に存在し続けるということです。

 

さらに、シルバー・バーチが、「「類魂」に関する霊的知識は、スピリチュ

アリズムの中で最も深遠なものです。」として基本的に継承している

マイヤースの類魂説が登場した霊的環境にも疑問があります。

 

どうして、マイヤーズ霊という生前、スピリチュアリズムの探究者では

あっても、霊的修行を経ておらず、死後、たった20年ほどしか経過して

いない新参の霊魂が、修行を積んだ高級な霊魂しか知り得ない霊的世界

の「深遠」なる真実を把握できるのかということです。

 

死後、日の浅いマイヤーズの霊魂は、現世とは全く異なる霊的世界の有様に

驚愕しながらも、とにかく、その世界の仕組みを一から学ばなければならず、

彼自身の幽界での新たな生活の一歩を踏み出すことで精一杯だったのでは

ないでしょうか?

 

これらのことから、シルバー・バーチは、「再生現象の複雑な事実を詳細に

示すことによって、スピリチュアリズム内部の再生論争に決着をつけた」と

主張し、「再生肯定派も再生否定派も共に間違いを犯し、同時に両者とも

部分的には正しいことを主張してきたということになります。」ということに

至る結論は説得力に欠けるように思われます。

 

結局、それでは、なぜ、再生を巡ってスピリチュアリズムの内部であれだけ

の対立が続いたのかと真の原因がわからないのではないでしょうか?

 

よって、マイヤースの類魂説そのものに、すでに曖昧なところが見られた

ように、シルバー・バーチの再生論は高級霊魂からの霊的世界の真実を伝え

る通信というより、再生肯定派説、再生否定派説のいずれもが、不十分

ではあるが間違ってはいなかったと、スピチュアリズム全体を擁護する

ところにその目的があったという見方ができるのではないかと思われます。

 

なお、『シルバー・バーチの霊訓』は、「イエスを中心とする霊界の高級霊団

の決意と願望の結晶」だとする主張に対する疑問は、前々回に述べさせて

いただきましたが、もう一つの大きな疑問は、霊的進歩、進化を第一に掲げ

ながら、その方法について、利他愛による行為や、祈りなど、表面の心に

かかわる倫理道徳的なレベルの実践しか示唆されておらず、魂全体を進歩

させる霊的技法、霊的トレーニング法がまったく明らかにされていない

ということにあるのではないかと思います。

 

 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
スポンサーサイト



テーマ : スピリチュアル
ジャンル : 心と身体

コメント

コメントの投稿

非公開コメント