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ライフサイクルと死

死生学3
 

「死生学3」の「シュタイナーとライフサイクル論」の中で、今井重孝

氏は、まず、現代の、つまり、「科学時代のライフサイクルの特徴とは、

何よりも若さが高く評価され、肉体の衰える老年は冬の気分で捉えられ

るところにある。」と述べています。

 

しかし、こうした、若々しさや肉体の衰えなどの目に見える部分だけに

とりわけ焦点化したライフサイクルの考え方は、古い時代にはなかった

ようです。

 

古代の叡智に基づくライフサイクル論、たとえば、ヒンズー教の四住期

の考え方は、現代の考え方とは大きく異なり、学生期、家住期、林住期、

遊行期から構成され、子育てを終えて家業を譲ってから、霊性を高め、

解脱へと努力する二つの時期が設定されているのが特徴的です。

 

つまり、上昇から下降に向かうイメージではなく、学んで成長し、家の

仕事で成長し、林の瞑想で成長し、遊行で解脱をめざすというふうに、

段階を追って成長し続けているイメージが鮮明で、肉体が衰えたのちは、

霊性を高めることが課題となっていたようです。

 

そして、シュタイナーのライフサイクル論はというと、この古代の叡智

をさらに洗練したしたものだというのです。

 

シュタイナーは、ライフサイクルを、身体の成長の時期、心魂の成長の

時期、そして、精神(霊性)の成長の時期と、21年ごとに三つの段階

に分けていて、さらに、7年周期説によって、21年を3段階に分け、

さらにそれを3つの段階に分けているということです。

 

ところで、これは地上でのライフサイクルであるが、死後も意識体と

して生き続けるとすると、死後の、天上のライフサイクルはどうなる

のでしょうか。

 

地上のライフサイクルにおいて、肉体の成長の段階の後は心魂の成長の

段階、その後は精神(霊性)の成長の段階と絶えざる人間の成長が続く

のであるが、天上のライフサイクル自身が、以前の地上生活における

その人の不完全さをさらにより完全にするためのプロセスとして構築

されているようです。

 

天上のライフサイクルの前半部分は、心魂の浄化がなされ、自分の人生

の不完全さを来世によって克服する強い意志が養われ、次第に精神(霊性)

の領域へと上昇し、神の究極の意図を知り、後半部分で未来の理想の

人間像を目にし、再び地上生活への熱望を抱き、新しい人生のための

感情体(アストラル体)、生命体(エーテル体)、臓器や肉体のもとに

なる部分を作り上げ、誕生すべき民族や家族を選択して、自らの計画

した人生を歩むのに最適な両親を選んで誕生してくるということです。

 

つまり、今井重孝氏がいうように「人類全体が向上しつつあることが

示され、かつ、人間の生きる意味について、一人ひとりが自己の人間性

を向上させるために生きているというように明確な目的を与えられうる

ライフサイクル論である。」と言えるかもしれません。

 

もっとも、今井重孝氏も、「シュタイナーの輪廻転生論は、何よりも希望

の哲学である」。と述べているように、理想主義的であり、これが真実か

どうかは到底証明不可能なことであります。私自身も、死後の世界に対し

ては、もっと悲観的で苦悩に満ちた世界であるような印象を抱いており、

輪廻転生、そしてカルマについても異なる認識を持っていますが、物質

の背後には必ず霊的な存在がある、目に見えるものの背後には必ず目に

見えない存在が存在していて、目に見える存在よりも目に見えない存在の

ほうがより本質的であるというのは、そのとおりではないかと思います。

 
 
 
 
 
 
 
 
 
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テーマ : 心、意識、魂、生命、人間の可能性
ジャンル : 心と身体

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