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シュメール創世神話-最古の宗教3-


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シュメル神話の世界 



今日、知るかぎりにおいて、古代メソポタミアの識者たちは、少なくとも

文書として保存するもののなかには、彼ら独自の宇宙「体系」に関する

まとまった記述を残すことは一度もなかった。さまざまな時代、場所、

種類の文書のなかに暗示的記述が散見されるのみである、とジャン・

ポテロは述べています。

 

よって、複数の作品によって「天地創造」神話を紹介しておきたいと

思います。

 

まず、『エンキ神とニンマフ女神』には、その前半において、「天地創造」

から「人間創造」に至る神話が語られているが、天と地は「大昔に

つくられた」だけ書かれているのみで、誰が天と地をつくったかは

書かれていないようです。

 

また、別の物語『ビルガメシュ神、エンキドゥと冥界』では、すでに存在

している天と地が分離されたのちで、人間の創造が定められているが、

それ以上のことは語られていないということです。

 

さらに、別の物語『エンリル神と鶴嘴(つるはし)の創造』では、エンリル

神は地から天を分け、「鶴嘴」をつくり出す。そして、人間がつくられるが、

人間には神々に割り当てられ、都市を築き、家を建てる重要な道具である

「鶴嘴」が与えられたとあります。

 

いずれも天地が最初から存在したように語られているゆえ、その前はどう

だったのかという疑問が湧いてきますが、いくつかの物語から推測すると

次のようになるようです。

 

最初に存在したのは「原初の海」ナンム女神である。女神は「海」その

ものであった。この「原初の海」が天と地を一つに結合している宇宙的

山を産んだ。

 

神々は人間と同じ姿をしていて、「天」アンは男神、「地」キは女神で

あった。彼らの結婚が大気を司るエンリル神を産み、エンリルは次に

天から地を分離した。天を運び去ったのは父アンであったが、エンリル

自身が母であるキ、すなわち地を運び去った。そして、エンリルが母なる

大地と結合したことが、宇宙の生成、「人間創造」、そして文明の樹立の

ための舞台を用意することになった。

 

そして、「人間創造」については、『エンキ神とニンマフ女神』では、神々

の労苦を取り除き、身代わりとして働くために創造されたとあります。

 

神々が増えたために、神々のなかでも特に低位の神々はつらい農作業を

しなければならなくなった。よって、身代わりをつくろうとした。そして、

つくる際には知恵の神エンキが人間を産みだすための道筋を考えた。

つまり、エンキは母神ナンムに人間を創造させ、ニンマフ女神や低位の

女神たちに助産婦の役割をさせようと考えたというものです。

 

では、神々が、みずからの代わりに働く存在である人間を何からつくった

のかといえば、土、粘土からであったということですが、これは『旧約

聖書』の「創世記」にも見られる記述です。

 

もっとも、古代メソポタミアでは、人間を創造する際の素材としては、

この粘土以外のものも考えられていたようで、たとえば、『人間の創造』と

呼ばれる作品では、神々の血から人間がつくられたとされているようです。

 

なお、紀元前十二世紀頃にバビロンで編纂されたとされる有名な『エヌマ・

エリシュ』という「創世神話」では、次のような物語になっています。

 

これは、最高神マルドゥクによる「天地創造」と天上の王権確立の次第を

物語ったもので、ストーリーは、「上では天がまだ名づけられず、下では

地が名づけられていなかったときに」というところからはじまります。

続いて、原初の男神アプス(「淡水」の神格化)と女神テアマト(「海水

」の神格化)が現れ、この二神から次々に多くの神々が生まれる。アプス

とテアマトは若い世代の神々の騒々しさに耐えられず、彼らの殺害を

企てるようになる。ところが、アプスは逆にエア神によって殺害され、

アプスの上に建てた住居でエアはダムキナ女神との間にマルドゥク神を

もうける。

 

マルドゥクは復讐を果たそうとするテアマトと彼女がつくりだした「11

の合成獣」の軍団と戦ってこれを打ち破り、「彼は(テアマトの死骸を)

干した魚のように二つに裂いた。彼はその半分を天を覆うように配置した。

彼はもう片方を広げて大地を作った。彼は全てを覆う網を大きく広げて、

天と地を結びつけた」というふうにテアマトの死骸から天地を創造する。

 

また、マルドゥクは、テアマト軍の指揮官キング神から「天命の粘土

版」を奪い、キングゥの血から神々の労役を肩代わりする人間をつくる

ことを考えつく。こうして、天地の秩序を確立したマルドゥクは神々の

王となって、「神々のエンリル神(最高神)」と讃えられる。

 

このように、『エンキ神とニンマフ女神』とは違って『エヌマ・エリシュ』

ではテアマトの死骸から天と地がつくられ、キングゥの血から人間をつく

っているが、神々の代わりに働く人間という「人間創造」の理由については

『エヌマ・エリシュ』にも踏襲されているようです。

 

なお、ミルチア・エリアーデは、これらのことについて、「天地創造は、

二群に分かれた神々のあいだの結果であるが、テアマトの陣営は彼女の

創造なる怪物・魔物を含んでいる。言いかえれば、「原初的なるもの」

そのものが、「否定的創造物」の源泉として示されている。」

 

「マルドゥクが天地を形成したのはテアマトの死体からであった。」

「それゆえ、宇宙は二重性をもつことになる。」「世界は、一方の混沌と

して悪魔的な「原初性」と、もう一方の、神の創造性・現前性・知恵との

「混合」の結果であることがわかる。これはメソポタミアの思索が到達

した、もっとも複雑な天地創造の定式であろう」と述べています。

 

また、人間の創造に関しては、「人間はキングの血という悪魔的物資で

創られている。」「人間はその起源において、すでに断罪されていると

思われるので、悲劇的ペシミズムについて語ることが可能である。

人間の唯一の希望は、人間を形づくったのがエアだということである。

それゆえ、人間は大主神によって創られた「形」をもつのである。

この観点からみれば、人間の創造と世界の起源は均衡を保っている。

いずれの場合も、最初の素材は地位を失い、悪魔にされて、勝利した

若い神に殺された原初の神の身体なのである」とも述べています。

 

ところで、このような創造された世界の終り、終末について、メソポタ

ミアの古い識者たちはどのように考えていたのでしょうか?

 

ベロッソスという人が示唆したところの、メソポタミアに古くから伝わる

基準を適用すれば、世界全体の長さは、「12サルの12の倍数」、すな

わち144サル年となり、これは51万8400年に相当するということ

です。そのうち、すでにシュメールの王名表にある大洪水以前の王の統治

期間が43万2000年過ぎ、さらに大洪水以降バビロン第一王朝まで

3万4080年、別に年表をもとにすれば3万3091年が過ぎ、さらに

バビロン第一王朝からベロッソスが生きたアレキサンダー大王の時代まで

1564年過ぎている。よって、残りの存続期間は、12サル、つまり、

4万3200年ということになるようです。

 

さて、ここに出てくる「大洪水」とはどういうものだったのでしょうか?

これは「世界の終末」に相当するものではなかったのでしょうか?また、

死について、彼岸(死後の世界)について古代バビロニアの人々はどの

ように考えていたのでしょう?

 

次回は、それらのことについて追及してみたいと思います。

 










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