FC2ブログ

「ネコの死後はどうなるの?」を読む

ネコの死後はどうなるの?2 


 

本書は、タイトルから見て、ネコ愛好家が読むためのものであると思われるかも

しれませんが、決してそうではありません。

 

従来、仮に死後の世界があるとして、人間の死後については、かなり論じられる

ことはあっても、動物の死後はどうなるのかについては、非常に論じられることが

少なかったではないかと思います。

 

本書は、そういった中で、動物の死後について、従来、述べられてきたものとは大

きく異なる主張を物語風に、とにかくわかりやすく表現しています。

 

ちょっと、今まで、神秘学やスピリチュアリズムでは、どう考えてきたのかを振り

返ってみると、

 

まず、ルドルフ・シュタイナーの場合は、動物は、死後、人間とちがって個々に

自我をもたず、集合魂的なありかたをしているというふうに抽象的に述べていた

ように思います。

 

また、スピリチュアリズムのある一説によると、動物に死後の運命は、地上で人間

に愛された経験があるかどうかで異なり、人間に愛されたことのない家畜や野生

動物は、死後、すぐにその肉体の死とともにそれまで身体によって示されていた

個別性を失うことになるとし、ペット、つまり人に愛された動物の死後は、人間

の愛によって、個別性が強化され、死後もしばらくはそのままの外形を維持する

としています。ただし、その期間中、動物は人間のような自我意識を持っている

わけではなく、天使等の働きかけのもとで外形は維持するが、それはあたかも

ロボットのようなものであり、いずれ、愛する人間と別れるときがくると、外

形を失い集霊、類魂の中に吸収されるということです。

 

ところが、本書では、そうではないと主張しています。人間の愛情と関わりなく

動物は死後も、個々に霊的な身体(本書では幽体と呼ぶ)を保持し続け、その

幽体の意識が個々に存続するとしています。(いつか、「幽体の死」という事態

を迎えるまでは、多くの魂が集合して一つになることはないということです。)

 

さて、本書は、他界した5匹のネコの兄弟姉妹と1匹のイヌが、死後の世界で

目覚め、様々な経験を経ながら成長をしてゆく様を描いていますが、表現は

極めて平易であるにもかかわらず、その内容をよく理解するのは、そう簡単

ではありません。

 

まず、死後の世界は、念の世界、つまり、想念、イマジネーションがそのまま

実体化するような世界であるいうことがなかなかピンと来ないとうことが

あります。

 

ただ、想念による対話、いわゆる、テレパシーのようなもので対話する世界に

入ったネコの霊魂たちは、そのうち個別性を失うことになる、単なるロボット

のようなものではなく、驚くべきことに、「言葉はなくとも会話する生命体」

に進化するということ、つまり、これは決して動物を擬人化した物語ではなく、

事実として、ネコは、概念的な思考はできないものの、日常的な思いは、人間

の子供のようなレベルで、お互いに伝えられる存在になっているということ

が、本書を理解する上での前提事項になるのではないかと思います。

 

しかし、それでもすぐには理解し難い主張がいくつかあります。まず、それは、

ペットが、生前、飼い主にどんなに愛されても、それが死後のペットの幸福に

はつながってゆかないということです。

 

勿論、動物を愛することは、とてもすばらしいことですし、生前のペットたち

の食、住などの環境を良くすることは彼らにとって大変望ましいことには違い

ありませんが、それだけでは、彼等は、死後、幸福にはなれないようなのです。

 

ペットたちが行く死後の世界は、地上の世界も動物たちにとっては非常に厳し

い世界でしたが、それに輪をかけたような残酷な世界でもあるようなのです。

 

そして、どうも、それはペットたちの責任ではなく、飼い主の責任、つまり人間

の霊的な成長の問題が関わっているということであり、そのために人はどう生き
るべきか、それこそが著者の主張したかったことのように思われます。

とにかく、本書は、従来の諸説とは大きく異なっており、愛による予定調和を

謳っていませんし、とにかく、甘い幻想は打ち破られます。

 

いずれが真実かは証明が不能な世界ではありますが、ハッとする場面、深く考

えさせる箇所は多々あり、肯定するにせよ、否定するにせよ、一読する価値は

大いにあろうかと思います。

 





 

スポンサーサイト



テーマ : 心、意識、魂、生命、人間の可能性
ジャンル : 心と身体

コメント

コメントの投稿

非公開コメント